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パチクラウド#47「自覚」

2021.08.01

ユーザーの減少が続き、規制が強化されるなかで、ホールの集客方法は多様化してきた。
いわゆる広告宣伝規制によって、ホールからユーザーへの直接的な勧誘が実質的にできなくなり、その代わりにメディア取材、タレント(ライター・演者)来店、最近ではSNSなどを使ったステルスマーケティング(ステマ)が横行するようになっている。
 
機械の魅力が低下し、ユーザーの絶対数も減って、広告宣伝ナシでは集客ができなくなったP業界の成れの果てが現在の状況である。
 
自分が長くライター活動をしてきた必勝本だってメディア取材をやってきたし、来店ブームが到来する以前の一時期は自分も来店イベントをやったことがあるし、知り合いを晒し屋として代理店に紹介したことだってある。
 
そんな立場で文句を言う筋合いなんてないのかもしれないけど、間違っていると思うことには口を出さないとすまない性格なので、これまでも散々、否定的な言葉を忖度なしに投げ付けてきた。
 
でもね、メディア取材や来店イベントをしている人たち、ついでに言えばステマを請け負っている晒し屋について個人的には賛成派なんですよ。
 
これは何度も言ってきたことだけど、ホールが独自発信の広告宣伝ができなくなった以上、集客方法として何かしらの外部業者を頼らなくてはならない現状は理解できるし、そうであるならばその選択肢は多いにこしたことがないでしょう。
 
自分の考えでは、まずホールなんですよ。
 
ホールが元気じゃないとパチスロを楽しめる環境なんて作れないし、ホールが儲からないと還元する余力など生まれないのだから。
 
もちろん、そんな外部業者を使わずに集客できるほうが理想だけど、それが難しいなら外部業者を使ってでもホールには生き残ってもらいたいのだ。
 
『設定を使っていれば客は来るし、来店マンや晒し屋に大金を払うくらいなら、そのぶん高設定を使え!』といった意見をよく見るけれど、パチンコ屋の経営ってそんな簡単じゃないんですよ。
 
以前にどこかでも書いたと思うけど、とあるホールが一時期、新台をほとんど買わず、広告宣伝費も一切使わず、そのぶんの予算を全て設定で還元していたんですよ。
その時期の還元率はおそらく都内でもトップだったと思う。
だって、メイン機種の大半が赤字だったらしいので。
 
でもね、そのホールの稼働は上がるどころか、ジリジリと落ちていったそうです。
 
これは極端な例かもしれないけど、設定を入れていれば客は増える…そんなに簡単じゃないってことだけは間違いないんですよ。
なので、メディア取材、タレント来店、晒し屋のステマ…ホールからの需要があるなら、その存在を否定する必要はないというのが自分の考え。
 
ただね、全体として賛成派であっても、ちょっと見過ごせないなと感じたりすることはあって、そういう時はつい文句を言いたくなってしまうわけで。
 
なんだろう…自分のギャラがどこから出ていて、自分の行動・言動がどういう影響を与えるかってことを、ちゃんと『自覚』しているのかなと疑問に思うことがあるんですよ。
 
まぁメディア取材というのは組織による運営だから個人の思考があまり通じない部分があるのでなかなか難しいけれど、たとえばタレント来店。
いわゆる来店マンなど、いろんな人がいるよね。
 
来店イベントの集客力って、タレントの認知度よりも出玉力に左右される部分が強いわけですよ。
 
有名なところではシバター氏。
面識もないし、シバター氏の来店ホールに行ったこともないけど、(出玉面で)ハズレが少ないって聞きますもんね。
 
そういった成功例があるからかもしれないけど、来店ビジネスをメインとするタレントさんはまずそこを目指す印象がある。
 
だって、お店が出してくれれば自分の価値が高まるし、集客力もどんどん上がっていく。
来店してくれた自分のファンに対しても面目が立つし、良いことづくめなわけですよ。
 
しかし、だ。
そのギャラはどこから出ているのか、赤字をうったらそのぶんをどこから回収するのか、そういった部分の『自覚』があるのだろうかと疑問に感じるような人もいるわけですよ。
 
この意味、ちゃんと伝わりますか?
 
メディア取材をやっている媒体、来店マン、晒し屋、そしてそれを斡旋する代理店…その全てのギャラはホールで負けているユーザーから出ているってこと。
ちゃんと『自覚』していますか?
 
ギャラを払っているのはホールだけど、その源泉は一般ユーザーなんですよ。
 
これだけは絶対に忘れてはならないし、そこをないがしろにした言動を見ればやはり文句を言わざるを得ない。
 
個人的にP業界人とは、ホールの売り上げが源泉になっている人たちのことを指すと思っている。
ホール関係者は当然として、メーカーだって周辺機器を売る会社だってそうだし、イベント関連に携わっている人たちもそう。
 
来店イベントで出玉状況が芳しくないことで叩かれたりして、反論をしているタレントさんをよく見るけども、そういうのも含めた来店マンという仕事でしょ。
 
いわれなき誹謗中傷は別として、一般ユーザーの負けたお金から自分のギャラが出ているのだから多少の批判は許容するべきなんじゃないかな。
 
ホールの売り上げを吸い上げている以上、一般ユーザーとは対極にいる立場なのだから。
 
そして、もうひとつ。
自分たちの活動で、市場に『歪み』を作ってしまう可能性もちゃんと理解しておいてもらいたい。
 
前述したように、たとえばイベント(取材、来店、晒し屋)をしたホールが当日に赤字をうてば、その補填をどこかでしなきゃならないわけで、その割を食うのは常連を中心とした一般ユーザーなのだ。
 
また、イベントで盛り上がるホールがある一方で、その近隣店は集客が落ちて倒産してしまうことだって普通にある。
 
そういった歪みの原因となっている自覚はするべきだし、自分と自分のファンだけが満足すればそれで良いみたいな、P業界を無視したファンビジネスが本当に嫌いなのだ。
 
繰り返すけれど、そういったイベント等があることには賛成派だし、それに携わっている人間を否定もしない。
 
だけど、どんなにそのイベント当日が盛り上がったところで、業界全体のユーザーが増えない限りは、どこかが得をして誰かが損をするだけなんですよ。
 
だからこそ、業界を盛り上げたいとか気持ち悪い発言をして来店しているだけのタレントさんは、どうか1人でもユーザーが増えるような発信をしていってもらいたいなと思う。
 
もうそろそろ限界だろ?
 
一般ユーザーに負けてもらったお金で、イベント会社だけが儲かる世界なんて、いつまでも続けていちゃダメだろ?
 
先述した前提にもとづくと、自分は業界人ではないんですよ。
単なるライターであり、イチ打ち手でしかない。
だから本当は自分なんかじゃなくて、当事者たちが考えるべきだし、動くべきなんだけど、みんな危機感とかないの?
 
それとも稼げなくなったら他に行くだけだから別になにも考えていないの?
 
自分だけが、自分の会社だけが儲かれば良い。
そう思うのは仕方がないし、それが資本主義というものでしょう。
 
でもそうやって実際に儲けて余裕ができたのであれば、業界の未来を見据えて、改善策を考えてほしい。
そういう義理や善意にまだどこかで期待している自分がいる…。

この記事を書いたライター

悪☆味

当サイトの発起人。サイトの立ち上げは人生最大のギャンブルとは本人の談だが、ここぞの勝負に負け続けてきた人間だけに不安が残る…