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パチクラウド#31「ジャーナリズム」

2020.12.01

尊敬する人物は誰ですか?
 
誰しもが一度は聞かれたことのある質問だと思う。
自分の場合、別に誰かみたいになりたいと生きてきたわけではないし、尊敬する人と言われてもすぐには思いつかない。
 
ただ、文章を生業としているライター的な立場で言えば、ひとりだけすぐに浮かんでくる人物がいる。
 
それはジャーナリストのS氏。
 
とある未解決事件の犯人に警察よりも先にたどり着き、そればかりか警察の不祥事を暴き、ついには国の法律をも変えてしまったジャーナリスト。
 
ペンは剣よりも強し、まさにそれを体現するような人物である。
 
なお、あえて実名を書かないのは最近のS氏にはバイアスが強くかかった論調の政治関連ツイートが目立つから。
それだって信念を持ってやっている言論活動なのだろうけど、ちょっと偏りすぎていると思うので、ここでは名前を伏せさせてもらいたい。
 
もちろん、パチスロライターごときが社会派のジャーナリストと同列に物を語るなんておこがましいということは理解している。
 
ただし、自分の信念や正義にもとづいて、それを文字に乗せて活動するというスタイルは見習うべきところが多いのだ。
 
そのS氏は後輩記者などに対して「取材対象者、特に権力者とは仲良くなってはいけない」と教えてきたそうだ。
 
取材相手とズルズルの関係性ができてしまえば、ジャーナリズムを貫けるはずなどないというのは当たり前の話である。
 
けれども、現実にはメディアと権力側には許容できないレベルでズルズルの関係性ができあがっているというのは容易に想像できる。
 
それこそが現代におけるオールドメディア離れを引き起こしている大きな要因になっているのは間違いないだろう。
 
 
そしてこれは、パチンコ・パチスロ業界にも同じことが言えるのではないだろうか。
 
 
当業界の構造上、権力の所在はメーカーだったり、ホールだったり、その時代によって移り変わってきた(いや、本当の権力はもちろん監督官庁にあるのだが、それはまた別の話)。
 
ただ、4号機のパチスロブームを経て、それ以降は売り手市場になっているので、どちらかというとメーカーが強い時代が続いている。
抱き合わせ販売などはその最たる産物だろう。
 
その権力者であるメーカーに対して、メディア側の人間としてはどう付き合っていくのが正解なのだろうか。
 
ここで前述したS氏の言葉が思い出されるわけで、「取材対象者、特に権力者とは仲良くなってはいけない」というのは如何なるメディアにとっても共通して言えることなのかもしれない。
 
これはパチクラウドを立ち上げる何年も前から感じていたし、実際に何度も書いてきたことだが、“メーカーとメディアの距離が近くなりすぎている”ことを、自分は何よりも危惧しているのだ。
 
これも繰り返し言っていることだが、有料メディアには読者の利益を最優先する義務がある。
 
厳密に言えば、読者の閲覧・訪問が収入の源泉になっているのであれば、無料メディアだってそれは変わらない。
 
ただ、そのメディアがメーカーとズルズルの関係になっていたとしたら、読者の利益を優先した情報発信ができるのだろうか。
 
例えば、メーカーにとって都合の悪い事実が判明したとして、それが読者の利益に繋がるのであれば当然、メディアはその情報を公開するべきだと個人的には思う。
 
だけど、それが簡単にはできなくなっているという現状が問題なのだ。
その原因がメーカー側からの圧力なのか、それともメディア側の忖度なのかはわからない。
 
ただ、理由がどうであれ、メディアが読者に対する責任を放棄してしまえば信頼など一瞬にして失ってしまうだろう。
 
とはいえ、メディアとメーカーが仲良くしてはならないというわけではない。
自分も攻略誌で20年ほど仕事をしてきた身なので、メーカーの協力ナシでは成り立たないということは理解している。
 
だからこそ、お互いの利益を損なわない部分では協力しあうことが必要だし、それ以外ではしっかりと一線を引いた付き合いをすることが重要だと思うわけだ。
 
何事にも適正な距離感ってあるよね?
 
話は変わるが、パチクラウドを立ち上げて1年が経過した。
有料会員になってくれた貴方のお陰で、なんとか生き残っております。
 
ただ、相変わらずサイト維持がギリギリの状態で、いま制作中の動画もその費用は持ち出しというのがリアルな現状。
 
まぁでも、当然と言えば当然なのでしょう。
今どき機種情報も掲載されていない有料サイトなんて他にないですからね。
 
もちろんサイトを立ち上げる際には、機種情報を掲載することも考えた。
でも、それによる弊害というのもあるわけですよ。
 
機種情報を得るためには、どこかから転載する、もしくは正当な手続きでメーカーと交渉するという2パターンがある。
 
ただ、転載…というかパクりなんてものはメディアの価値を下げる行為なので、選択肢としてあり得ない。
 
となれば、必然的にメーカーと交渉するしか手はないんですよね。
メーカーに公認メディアとして認めてもらって、しかるべき手続きを踏んで機種情報を掲載する。
 
一見すれば、悪くない選択肢のように思える。
 
だけど、メーカー公認となればサイトに検閲が入る可能性だってあるわけだし、メーカーにとって不都合な情報が発信できなくなることだってあるかもしれない。
 
そんな手負いの虎みたいなサイトに魅力はあるだろうか?
牙の抜けた獣のようなサイトに価値はあるだろうか?
 
これが機種情報を掲載できない、掲載しない理由である。
 
現在のパチクラウドは権力に立ち向かえるほど成熟したメディアではない。
それどころか相手にもされないだろう。
 
だけど、誰に笑われようが自分なりのジャーナリズムは曲げずに、やれるところまではやっていく。
 
2年目のパチクラウドも宜しくお願いします。

この記事を書いたライター

悪☆味

当サイトの発起人。サイトの立ち上げは人生最大のギャンブルとは本人の談だが、ここぞの勝負に負け続けてきた人間だけに不安が残る…