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パチ屋にいる女性達は、一体どこからやってきたのでしょうか。
我々調査員はその謎を解き明かすため、アマゾンの奥地へと向かう────
ややっ! 眩しいでござる!この光は一体…!?
森の奥へ進むと一筋のネオンが見えた───────
そう、ここは駅前中堅ホールの"あの"パチ屋である。
今日もここには、数名の女性打者が存在している。
「あの、あなたはなぜここでこの台を打っているのでしょうか」
調査員の碧海(以下、Aとする)が訪ねる。
こちらを振り向く女性。
鼻にツンとくるこの香り…ドン・キホーテのショーケースに並べられた、あの妖しい紫色の小瓶を思い出した。ランバンの香水だろうか?
そこには、微かなアルコールとIQOSの甘ったるい残り香を漂わせた目鼻立ちのハッキリしたフィリピン風の女性がいた。
冴えない女(調査員A)を尻目に、可愛らしい丸い鼻をフンッと鳴らし、いかにもフィリピンパブで嫁を探しているような隣の男にコソコソ耳打ちをした。
小馬鹿にするように男が言う。
「お姉ちゃん、こんなとこきて彼氏待ってんの?」
調査員Aは、あまりにもこういう会話が苦手なため「ハハハ」と愛想笑いをすることしかできなかった。
しかし、負けじと調査員Aは口を開いた
「綺麗な奥さんですね! 一緒に楽しめる趣味があって良いですね!」
そこで、フィリピンパブの黒服から「彼女が会いたがってましたよ!」というただの常套句にホイホイと乗せられそうな男の機嫌が良くなった。
「そうなんだよ、うちの女さ、海物語しか知らなかったんだよ。最初はジャグラーの赤7すら見えなくてさ、なのに今じゃスマスロばっかり俺と打ちたがるんだよ」
調査員Aは察した。もちろん、投資金額もこの男持ちなのだろうと。その男は私の相槌も待たずに話を続けた。
「こいつこの前さ、万枚出したんだよ! こんな店でよく出すよ。女は引きが強いんだよなー」
そうなんですね!の「すね!」を言う前に、調査員Aの下手な相槌に被せて「で、お姉ちゃんはこんな店で何してんの? 彼氏は出てんの?」と逆に質問をされた。
調査員Aは俯き、調査員Aは考えた。
普段あまりに思考しない脳で必死に考えた。何度も大学をダブっている脳では、何故私がパチンコ屋にいるかという質問に簡潔に答えるのは難しかった。
何故、パチンコ屋に女が1人でいると言う考えはなく、彼氏がセットなのだろうか。
もし私がレズビアンだったらどうするのだ? 今は多様性の時代です!! もし私の彼氏が及川光博だったら? もし、私が死んだ祖母の敵(かたき)を海物語で取っていると知ったら?
───────彼は私をまた鼻で笑うだろう。
思考に思考を重ね、そこでようやく重い口を開く。
「一緒に遊んでくれる友達がいないからです。」
概ね、事実である。
何度も大学をダブっていれば、周りは社会人。
平日に遊んでくれる友達と言えば、フリーターのくせに1ヶ月で社会人の給料3ヶ月分をパチンコで溶かした友人1人だけだ。
そこで、この日初めてフィリピン風の女性が「フフッ」と声にならぬ微笑を私の会話に向けてくれたのだ。
彼女の唇の端にだけ春を宿したような甘い微笑が静かにこぼれた。
何故かは分からなかったが、その瞬間、彼女からふわりと祖国のボラカイ島の潮風が、パチ屋の冷房に乗って私の鼻腔をくすぐった────。
【完】
※この物語は全てフィクションであり、実在するマイホの人物達から妄想を膨らませただけです。


