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両親は俺がどんな仕事をして生計を立てているのかを知らない。
パチンコ・パチスロで生活が成り立つなど信じてもらえない情弱な世代の人たちだから、それを話したところで理解はしてくれなかっただろうし、それを分かったところで許してくれなかったと思う。
親父からは「汗水を垂らして働くこと。働かざる者は食うべからず」と、お金には色があると教え込まれてきた。
「結婚はしないのか?」と聞かれたことはあったが、「仕事は何をしているか?」と聞かれたことはなかった。
おそらく聞くのが怖かったのだと思う。どこに住んで、何をしているのかも分からない息子。親としては人様に迷惑をかけていないことを祈ることくらいしかできなかったのかもしれない。
実家の2階の窓はいつも鍵が掛かっていなかった。
息子たちが何かの理由で突然、帰ってきた時にでも、そこから入れるようにという想いがあったらしい。ハシゴのある場所は聞かされていた。
もしも逃亡する人生だったとしても、追っ手がすぐにくる実家に避難することはなかったと思う。
それでも帰る場所があったことが心のよりどころになっていたのは確かだった。どんな状況であっても味方でいてくれる存在がいることは心強かった。

