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僕とオートバイ#7

2020.06.15

ライター:HYO.

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AM11:00

心地よい風を全身で味わいながら、まだ心なしか交通量の少ない国道をただひたすらに真っ直ぐ、私は愛車のカスタムカブを走らせていた。

 

緊急事態宣言が解除され、ほとんどの自粛要請が解かれた今、私を止めるモノは何もない。

もちろん、全てが元通りというワケではない。今後もしばらくは感染対策をしっかりと取った上での生活が求められる。

 

それでも、ここには私が求めた自由がある。誰に気兼ねすることなく、後ろめたさもなく、行きたいトコロ、行くべきトコロに行くことが出来るのだ。

 

私は自動車学校に向かっていた。

自粛期間中にネットで仮入校手続きを済ませてあるので、今日はこれから本入校手続きをし、可能であれば軽く教習も受けるつもりだ。

 

いいぞ、いいぞ。私は前に進んでいる。

AT小型限定普通二輪免許の免許取得にかかる84150円の費用は1円も貯まっていないどころか赤字も赤字の大赤字なので、言う人に言わせれば企画的にフライング、ルール違反の暴走だろう。

 

だから、言う人は言わずにどうか黙っていてほしい。

金はいつか、必ず稼ぐ。パチスロで絶対に稼ぐ。

稼いでから免許を取っていたのでは、遅いのだ。

もはや立ち止まってはいられない。

私は前に進む。

それが暴走だろうが、ルール違反だろうが、エンターテイメントとして必要な行動を取る。それが私という人間なのだ。

 

なあに、免許取得なんて一瞬だ。一週間もかからずに取れてしまう。

そしたら、その足でバイク屋に行ってローンを組もう。クロスカブの125CCか、新型のハンターカブを買うのだ。

今この情勢でフリーランスがローンの審査に通るかは些か不安だが、そこも気合いで何とかなるはずだ。

 

「大丈夫です、パチスロで稼ぐので!」

 

ものすごくキラッキラした目で元気にそう言えば、担当者も「まあ最悪、家を差し押さえればいいか」ぐらいでOKしてくれるだろう。

さあ、自動車学校までもう少しだ。ここから始まる明るい未来へ向けて、私はアクセルを吹かした。

 

…はずだったのだが。はて、なぜ私はパチンコ屋にいるのだろうか?

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