とある午後の昼下がり。
私はパソコンの画面を真剣な眼差しで見つめていた。
ここ最近のFANZAのプレイリストを見る限り、私はどうやら尻派に鞍替えしたらしい。
若い頃は「おっぱい! おっぱい!」と暇さえあれば連呼するほどの過激なおっぱい派だった私が、だ。
もちろん今も電車の中で素敵なニットのふくらみを見せてくれた女性には、心の中でビットコインを2枚ほど贈呈するレベルではおっぱいを愛している。
しかし、やはり、どうにも、今ヌけるのは尻なのだ。
これはもう仕方がない。
人間は学び、そして成長する生き物。
私はおっぱいという山を乗り越えて成長し、今新たな尻という山を登ろうとしているのだ…。
そんなことを考えながらニヤニヤしていると、私の携帯が鳴った。
誰だ、今凄く忙しいのに。画面を見ると、知らない番号からだった。
「もしもし」
「もしもしー? 私、〇〇ドライビングスクールの△△と申しますが…」
女だ。
女からの電話なんて珍しい。
一年に一回あるかないかだ(嫁と母を除く)。
興奮する。
どんな尻の形をしているのだろうか?
いや、待て待て。
ドライビングスクール? ああ、自動二輪小型AT限定の免許を取るために通っている(正確には1回行っただけ)自動車教習所だ。
「はいはい、何でしょう?」
「あのですね、スクールの方にあまり来て頂いていないようなので、その確認でお電話いたしました」
「あー、なるほど。すいません」
「いえいえ。何かご事情が変わったですとか、あとコロナの関係もあるかと思いますし」
「そうですね。外出もしづらい状況ですし、あと予約もなかなか取れなかったので…」
「それは大変申し訳ありませんでした。緊急事態宣言の影響で、当スクールとしてもこの先講習を確実に継続できるとは言い切れない状況でして…」
「こればっかりはねー、しょうがないですよねー」
「で、お客様の教習期限というのがありまして。まだ3か月ほど猶予はあるので、一応免許取得が可能だとは思うのですが…もしもお客様の方で受講が不可能ということであれば、入校費の一部とすでに受講済みの教習費、教材費などの実費を除いた費用を返却いたしますので」
「え? そんなこと可能なんですか?」