あれは15~16年前かな。
当時俺はガキんちょでしたが、毎日パチ屋に入り浸っていましてね。
そこでプーさんという人と知り合いました。
プーマのジャージをよく着ているからプーさん。彼は当時36歳でした。
プーさんは運送会社で働いていた時に配送先で知り合った受付嬢をナンパしてそのまま結婚したらしいですが、その後スロットにハマって会社をやめ、それが原因で離婚に至ったクソ野郎です。
彼はそんなにパチスロが上手い方ではなかったのですが、あの時は確か4号機から5号機に移行していた時期で、甘く使われていた5号機だけ打っていれば何とか食べていけるくらいにはやれていました。
負ければ『やってらんねえわ…』と意気消沈で帰り、大勝ちすれば笑顔で『飲み行くべ!』と奢ってくれたりしました。
俺は若かったからか、プーさんに可愛がられていたことを覚えています。
彼は酔っぱらうと擦れた古いプリクラを見せては『俺の元嫁は可愛んだぜ』ってよく自慢していました。
まぁどちらかと言えばやや微妙でしたけど。
『お前はまだ若いからいいけど、将来は俺みたいになるなよ』
心配で言ってくれていたのか、自己投影で言ったのかは分かりませんが、彼はよくこんな言葉を口にしていました。
不摂生でおっさんでバツイチで無職で。
言われるまでもなく、あんたみたいになんて1ミリもなりたくないと猫旦那青年は思いました。
でも自分に素直に生きるそんなプーさんが俺は大好きでした。
恥ずかしい話、いつもの場所にプーさんがいたら安心するというか、自然と笑顔が出るというか。
年の離れた友達みたいな。
そしていつの間にか彼は姿を見せなくなりました。
プーさんはこのコラムを見てくれているだろうか。
先日、俺は36歳になりました。
不摂生でおっさんでバツイチで無職です。
さぁ本題に入りましょう。
前回のコラムの続きで、猫旦那流雇い打ちのノウハウをお話していこうと思いますが、雇い打ちを始めるのに持つべき心構え、必要なツールである軍資金や引き子、打ち子については前回のコラムを読んで頂くとして、今回は狙い方や軍団長の考え方についてお話をしたいと思います。
あくまでも猫旦那流であってこれが正解というわけではないので悪しからず。