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蜘蛛の糸#0「叫び」

2019.12.03

ホールから帰ってきてテレビを付ければ、誰が誰を刺し殺したとか、煽り運転の映像とか、暗いニュースばかりが延々と流れている。
かといって、芸能人の誰それが結婚したニュースなどにはまるで興味がないのでどうでもいい。本当にくだらない世の中だと思う。
特に、幼児虐待のニュースなんかを見ると全身が震えて、もうテレビを付けていられない。もういい加減にしてよ。子供はあんた達のおもちゃじゃないの!
 
 ごめんなさい。いきなり取り乱してしまいました。そして御挨拶もまだでした。
 わたくし、希(ノゾミ)と申します。ご縁がありまして、パチクラウドさんでコラムを書かせていただくことになりました。
 
パチクラウドさんの方から初回は自己紹介を含めた内容でという依頼がありましたので、まずは少しだけ私のことについて書かせてもらいます。
いや、興味ないですよね。私が知らない芸能人の結婚報道に興味がないように、こんな素人の自己紹介なんてもっと興味がわかないと思いますが少しだけお付き合いください。
 
ただ、自己紹介といっても何もないんですよね。
年齢は20代、住んでいるのは関東某所、無職、家族なし。家族どころか、友人と呼べるような親しい付き合いをしている人間もほとんどおりません。連絡先を交換している相手を数えたら、両手の指で足りてしまいますからね。
そんな数少ない知り合いであるパチクラウドの方からお願いされて、このコラム連載を引き受けることになりました。
 
家を捨てた私には親族と呼べる者もおりませんし、そもそも私は極力、人と関わりたくないんです。対人恐怖症と言いますか、人間嫌いと理解してもらえればいいと思います。これは私の生い立ちに起因するもので、おそらくこの先も大きく改善することはないでしょう。
 
私は母親の再婚相手に性的虐待を受けていました。
それが切っ掛けで男性恐怖症になったこともあり女子校に進学したのですが、今度はそこでいじめに遭いました。
いま思えば、陰気な私にはいじめられる素質があったのだろうと思いますが。それはともかくとして、母親の再婚相手からの性的虐待、同級生からのいじめを経て、私の人間嫌いが完成したわけです。
 
一刻も早く家を出たいと思い、私のことを知っている人がいない所に行きたかった。
 
それで18歳になったのを機に、高校を中退して東京に行くことにしました。それ以来、家族はもちろん、以前の知り合いとは一切関わりなく生きてきました。
 
東京を選んだ理由は何とかなりそうだったからという漠然としたもの。実際には知り合いもおらず、お金もほとんど持たない女がひとりで何とかなるわけがなく、結局はすぐに住居を用意してもらえるという理由から風俗で働くことに。
 
男性恐怖症の人間嫌いが風俗っておかしいだろうと思われるかもしれませんが、むしろ私にはピッタリの仕事でした。その辺りの事情は後々書かせてもらうとして、風俗の仕事をしたことでようやく自立することができたわけです。
 
そこで得たいくらかの貯金を元手に部屋を借り、風俗の仕事を辞めたのが数年前。
そこからは趣味である読書とパチンコ・パチスロを楽しみに、のんびりとした生活を送る…予定だったのですが、現在は読書だけが唯一の趣味として残り、残念なことにパチンコ・パチスロは仕事になってしまったんです。
 
そう、私は俗に言うパチプロ・スロプロなのですよ。
 
このコラムではそんな私の半生を綴っていきたいと思っております。さすがに家を出るまでの記憶は封印したいので、東京に出てきて風俗で働いて、何故かパチンコ・パチスロで生計を立てている現在に至るまで、波乱万丈と言うほどではないのですが、次回からどうぞよろしくお願いします。

この記事を書いたライター

希<ノゾミ>

生まれた家と家族を捨て、パチンコ店に救いを見出した元風俗嬢。老若男女、様々な人間が集まるパチンコ店だが、そこへ足を運ぶ理由は人それぞれ。パチンコに救われた自らの半生を赤裸々に綴る